日本家族看護学会第19回学術集会 会長
上別府 圭子
東京大学大学院医学系研究科
健康科学・看護学専攻家族看護学分野
日本家族看護学会第19回学術集会を担当させていただくことになりました、東京大学大学院の上別府圭子(かみべっぷ きよこ)です。
2011年は大自然の脅威を見せつけられた一年でした。東日本大震災や台風12号、クライストチャーチの地震、タイ大洪水などで被災された皆様には、心よりお見舞いを申し上げます。私は3月11日の直後に、大会テーマを『家族とレジリエンス』と定めました。当時、あまりにも広範囲にわたる甚大な被害が明らかになり、余震も伴って不安が助長される中で、私自身の内的ニードから欲したテーマだったのかも知れません。しかし初期の緊張状態から、悲哀・悲嘆、慢性ストレスと怒り、絶望と奮起を揺れ動く状態に移ってゆくと、家族や、家族を囲む村や町の絆の大切さが指摘されるようになり、今だからこそ、この学会で本テーマを追求することの意義を確信するようになりました。
学術集会には、家族の本質に迫るテーマから家族看護学の実践や研究に関わるものまでさまざまな重要なテーマを盛り込みました。日本家族研究・家族療法学会会長の中村伸一先生の特別講演や、大会テーマ関連のシンポジウム『東日本大震災後を生きる家族の理解』のほか、本学会初の試みとして『事例検討』のセッションも設けました。家族看護の実践を見直すと共に、近接領域からもヒントを得て、家族看護学の体系化を推し進めることができるような工夫を盛り込みました。さらに、懇親会でも『Meet the Expert』のほか、楽しい企画を準備しています。優秀な演題には、Awardが贈られます。臨床の方や若手研究者の方も、是非、お誘いあわせの上、ご参加ください。
それでは、2012年9月8-9日、東京神保町一ツ橋でお会いしましょう!